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ゲームのリアリティさ (2016/01/16) [ヴァルキリーの辞書]

ゲームって抽象化と仮想化の産物ですよね。将棋なんてものは、軍隊の部隊を駒として抽象化し、盤という仮想戦場の上で仮想の軍隊で戦わせる遊びですし。もし将棋に抽象化も仮想化も介在しなければ、それは本物の戦場そのものです。コンピュータゲーム、例えばロールプレイングゲーム(RPG)も同様で、人を抽象化したプレーヤーを仮想世界の中で操作・成長させていく遊びという点は同じです。
ゲームって遊ぶための道具なので、リアリティを犠牲にしなければならない部分が出てきます。というより、ゲーム性を向上させるために、あえて切り捨てている部分がある、と言った方が良いでしょうか。だって嫌でしょう。将棋の駒を1マス動かすのに数時間を要するとか、この駒は食事中のため今回は動かせませんとか。コンピュータゲームだって、瀕死の人が薬草だけで完全回復したり、コンパクトな薬草を9個持てないのに、重量級のはがねのよろいは8個持ててしまうのはなぜ?といったツッコみ所はザラにあります。
ゲームは遊べてナンボです。人の覚えられるルールの量には上限がありますし、複雑すぎるルールや制約ではそれを使って遊ぼうとも思わなくなります。コンピュータゲームのROMには容量制限もあります。ゲーム性が確立できているのであれば、そういう理不尽さは気にしないのが一番です。

しかし、コンピュータゲームの中には、あえてリアリティの断片を組み込んだ作品があります。個人的に、ゲームにおけるリアリティの追求は嫌いではありません。もちろんそういったゲームにおいて、試みが成功しているものもあれば、失敗してしまったものもあります。
私の印象に残っているものとして、“ウィザードリィ”、“破邪の封印”、“ハイドライドIII”の3つを挙げれば、概ねそういった試みを語ることができてしまいます。せっかくなので軽く紹介してみることにします。
なお、今から紹介するシステムは、そのゲームが元祖でないかもしれません。ただ、今回の趣旨は源流を探るものではないので、そのあたりはご容赦をお願いできればと思います。

■年齢と加齢
キャラクター設定として、年齢が設定されているゲームはあります。しかしイベントで特別な時間経過を発生させない限り、どんなに時間を経過させても永遠に固定されたままです。しかしウィザードリィは違いました。宿泊施設で誕生日を迎えると、加齢します。若い娘だったキャラクターが、気付くとおばさんになっていたりします。種族毎に年齢の特徴(たとえば300歳とか)があり、また、加齢を続けると老衰して死ぬこともあります。私も、キャラクターを加齢させないために“馬小屋”には随分とお世話になりました。
ゲームに時間的制約を設けることで、だらだらとゲームをさせないという点で評価できるのではないかと思います。(私はやり込みが好きなので、永遠のXX歳の方がうれしいのですが) 他にもMight and Magicでも同種の加齢があったように記憶しています。

■武具の耐久性
破邪の封印では、武具に耐久性パラメータがあり、戦闘で使用すると耐久力が減少します。そのまま鍛冶屋で修理することなしに使い続けると、武具がロストしてしまうのです。それは物語後半に手に入る、伝説の武具であっても同じです。
リアリティもさることながら、はっきり言ってこれは面倒なシステムでした。物語中盤で鍛冶屋を帯同できるようになり、戦闘終了後に自動で武具の修理が行われるため、やがて意味をなさなくなります。面倒な管理から解放されると考えれば、それも主人公の成長なのでしょうが。
この延長かどうかは分かりませんが、魔界塔士Sa・Gaでは武器に使用回数という制限あり、これは成功だったと思います。常時複数の武器を装備できますから、敵の属性や数によって武器を使い分けるという戦略性が生まれ、また、もったいないから弱い敵には弱い武器を使うというエコの概念(笑)も生まれました。

■視界
同じく破邪の封印では、視界に制約がありました。ドラゴンクエスト等を見て分かるように、一般にゲームは俯瞰視点であり、プレーヤーは周囲のマップ(位置状況)を常に確認することができます。
しかし破邪の封印は違います。ゲーム開始当初の視野はゼロで、上下左右、その地点に移動してみるまで状況が全く分からないのです。海に落ちて流されたり、山岳地帯に突入して強敵に撲殺されるなんてことは日常茶飯事です。
そのためゲームには布製のマップが付属しており、プレーヤーはその地図で自分の位置をを管理・把握しておく必要がありました。ゲーム中盤で入手できる遠めがねによって、初めて自分の周囲1マスの視界が画面上に表示されるようになります。これも面倒なシステムでした。ま、これには当時流行っていた違法コピーの対策であったとも言われています。

■時間
ハイドライドIIIでは時間の概念がありました。ドラクエのような朝昼晩といった生易しい物ではありません。24時間の分単位です。それまでも時間の概念があるゲームは存在しましたのでしょうが、ハイドライドIIIでは定時に食料を食べないと空腹で弱体化し、夜は睡眠を取らないと同じく弱体化し、さらに深夜は敵が凶暴化するというとんでもないシステムでした。

■重量
これもハイドライドIIIであり、全ての物に重量が設定されていました。そうお金にも。持てる重量を超えてしまうと動きが遅くなり、さらに超えてしまうと完全に身動きが取れなくなります。お金の重量も邪魔になるのであれば、容赦なく捨てることになります。
ちなみに手持ちの小銭(硬貨)を大きなお金(硬貨)に変換してくれる両替機なる手持ちアイテムもありましたが、両替機の重さ自体は固定のため、何をどう両替しているのかというゲーム史上最大の謎も生まれました。
この重さの概念によって、軽い物ほどたくさん持てることになり、ゲームのアイテム所持における理不尽さについて一つの解を与えることになったのは画期的かと思います。また、重さを考える必要があるため、最高性能の武具が最強であるとは限らないといった面白い概念も生まれました。
ただ、一つ言うとすれば、これも面倒なシステムでした。

といったように、リアリティさの追求には、功罪があり、なかなか興味深いかと思います。
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SRPG 不遇な盾ユニット その2 (2014/02/19) [ヴァルキリーの辞書]

盾ユニットを不遇にしないためのアプローチとして、大きく2つを考えてみました。

■ゲーム展開の工夫
不遇だからと言って、優遇する必要はありません。ゲーム展開で工夫ができる場合もあります。
たとえば、ストーリー展開を練ることで、出撃するユニットを少数で固定化してしまうのはどうでしょう。分かりやすい具体例としては、そのステージはひ弱な魔法使いと盾ユニットの計2ユニットしか出撃できない、など。
こういった場合、それぞれの役割分担が明確になりますし、少数なので代役もいません。必然的に盾ユニットを本来の用途で活用せざるを得ない状況になります。

また、ステージクリアの条件を、所定ターンの間、基地や拠点を防衛させる案はいかがでしょうか。(援軍が到着するまで死守する、など)
捌ききれない敵を無尽蔵に出現させ、プレーヤーをひたすら消耗させるのです。必要なのは攻撃力ではなく、防御力です。回復アイテムや回復魔法が尽きるぐらいの、ハラハラさせる激戦の方がきっと面白いでしょう。
なお、こういった無尽蔵に出現する敵は格好の経験値稼ぎの手段とされる場合もあるので、敵を倒して入手できる経験値は0とするのが良いと思います。

■システムの工夫
こちらはそもそもシステムを作り変えてしまえ、というアプローチです。たくさんあるので、箇条書きプラスコメントという形式とします。
(1)壁として耐えている場合に入手する経験値を増加させる
→敵のターンにおいて、味方ユニットが攻撃を受ける場合に入手する経験値はごく少量かゼロだったりします。この経験値量をそもそも大幅に増やすか、盾ユニットに関しては大幅な増量の恩恵を受けられるようにします。
 そうすることにより、盾ユニットが他のユニットの成長から取り残されることを軽減します。

(2)経験値・成長の概念をなくす
→他のユニットが成長し、盾ユニットの代役となれてしまうことを阻止します。つまりはステータス成長という概念をなくしてしまうのです(あるいは成長度合いをごく僅かにする)。各ユニットが持っている「本来の役割」を維持することで、盾ユニットの使用頻度を上げ、冷遇を防止します。
 ただ、ユニットが全く成長しないとゲームとしてつまらなくなってしまう可能性もありますので、HPやMPだけを成長の対象にする考え方もあります。(=成長しても基本性能は変えないようにする)

(3)特殊能力を持たせる1
→盾ユニットに対し、盾ユニットらしい特殊能力を持たせるのです。色々考え方はあると思いますが、たとえば、盾ユニットを中心に一定範囲の周囲のマスを、敵ユニットに対する強制的な足止めマス(1歩ずつしか移動できない、機動力を半減させる)にしてしまうのです。
 盾ユニットを先頭に立たせ、襲撃してくる敵の足が鈍ったところを遠隔攻撃で狙撃するといった連係攻撃ができれば、盾ユニットの利用価値が向上することでしょう。
 また、もう少し味付けをするならば、足止めをできるユニット数に上限を持たせ、上限数以上のユニットが範囲に入った場合は、特殊効果を無効とするようにしたり、他の敵と交戦中の場合は(手が回らないという意味で)効果を無効とするのも面白いと思います。

(4)特殊能力を持たせる2
→味方ユニットの保護能力を持たせます。ここで言う保護能力とは、近隣の味方ユニットを保護対象に指定し、指定する味方ユニットへの攻撃を(敵のターンの間)全て代理で受けるようにするものです。
 たとえば、イベントで護衛すべきユニットが戦闘に参加している場合や、防御力のない回復ユニットや魔法使いユニットを最前線近くでウロウロさせる場合などに有効に活用できると思います。

(5)特殊能力を持たせる3
→周囲にいる味方ユニットの防御力にプラス補正の恩恵を与えるようにします。単純に最前線にいるだけでも役に立つようになります。

というわけで、色々と面白い案が浮かんできそうです。ゲームシステムとしての実現性の問題もありますが、工夫次第でどうにでもなるなぁというが私の印象です。
最近はファミコン時代のファイアーエンブレムのようなゲームってどうなんでしょうね。
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SRPG 不遇な盾ユニット その1 (2014/02/11) [ヴァルキリーの辞書]

ここで言うSRPG(シミュレーションRPG)とは、
 ・ターン性もしくは順序性(リアルタイムではない)
 ・ヘックスやスクエアのマス目に従って移動
 ・戦士や魔法使いなど、ファンタジーRPGを基本とするユニット(=キャラクタ)
 ・ユニットは使い捨てではなく、成長要素がある
 ・ユニットに特徴付けがしてあり、課せられる役割がある程度決まっている
まぁ、似たようなゲームはたくさんあると思いますが、ピンと来ない人はファイアーエンブレムをイメージしてもらえると一番分かりやすいと思います。
さてさて、こういったゲームにおいて「盾ユニット」が不遇だと思うのですが、いかがでしょうか。盾ユニットについても簡単に説明しておくと、いわゆる壁ユニットであり、たいてい以下のような特徴を持ちます。
 ・他のユニットより高HP・高守備力を有する
 ・素早さや敏捷さ、機動力は劣り、基本的に常に後れを取る
 ・攻撃力は普通
 ・甲冑等の重装甲キャラクタとして味付けされる
 ・武器は大きな槍、大きな斧、大きなハンマーなどを持っていることが多い(ぶん回す系)
 ・魔法攻撃にはさほど耐性がなく、一種の弱点になる
 ・成長率は並以下

と、こういったユニットはどういった命運を辿るかというと、序盤は重宝されるものの中盤から終盤に他のキャラが成長し出すと、ほぼ例外なく二軍に回されるようになります。二軍に回される要因として、機動力や素早さに劣り、扱いにくい・成長させにくいといった点が挙げられます。
どんなゲームでも同様の傾向が見られると思いますが、いかがでしょうか。そして不遇ではないでしょうか。ゲームバランスの調整の範疇になるかもしれませんが、盾ユニットを不遇にしないためのシステムを考えてみました。

その2へ続く。
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オンラインネットゲームのインフレ回避 その2 (2011/11/28) [ヴァルキリーの辞書]

前回からかなり時間が経過していまいましたが、“オンラインネットゲームのインフレ回避 その1”の続きとなります。その1を読んでからこちらを読んで頂けると幸いです。

■新通貨(通貨の変更)
通貨を変えてみるのはいかがでしょうか。もちろんゲームのシナリオとうまく整合性を取る必要がありますが、たとえば時代毎、王朝毎に通貨を変えてみるのです。
ゲーム内で王国が滅び、その王国が発行していた通貨が無価値になり、以後、新通貨のみ有効となるようにします。ただし定期的に発生するようなイベントにしてしまうと、そもそもお金持っている意味がなくなってしまいよりインフレを加速させてしまうので注意です。
突発的なイベントとして、古い貨幣を一掃することになるでしょう。

■アイテム変動相場、在庫
アイテムの価格を変動相場にしてしまう案もあります。
例えば店舗在庫という概念を導入し、品薄状態と連動して価格上昇させるのです。高レベルユーザに人気のある消耗品アイテムのみが価格上昇していくことになります。また、バランスが崩れてきた場合は、在庫を潤沢に持たせ価格調整を行う必要があります。
ただ、遊びにくくなってしまってはユーザが離れていくことになりますので、実際はかなり調整が難しいのではと思います。

■通貨相場制
いよいよ為替取引みたいな感じになってきましたが、国家や地方毎レベルで通貨を変え、必ず両替をしないと購買ができないようにします。インフレが顕著になってきた国家/地方は、キャラ育成や貯蓄の点では不人気エリアとなりますので、プレーヤが世界中にうまく分散されるという副次的効果があるかもしれません。
戦争イベント等で、滅びそうな国家の通貨は処分し、他国の通貨に変えて保持するというのもリアリティのある話で面白そうです。

■手数料
ユーザ同士の売買には一定の手数料を徴収するようにします。高額な取引であればあるほど、手数料の率が高くなるようにします。取引量に比例して貨幣の処分ができますので、お手軽な方法かもしれません。

■修理
武具に耐久性を持たせ、定期的に修理を行なわなければ武具が壊れるようにします。高級な装備品ほど修理代は高くするべきでしょう。これもお手軽な方法ですが、プレーする側としては面倒なシステムでした。(個人的な経験談)

■ペナルティ・保険
道中で死亡した場合のペナルティを大きくします。所持通貨の数10~50パーセントを失うぐらいの大きなペナルティです。高レベルなユーザほど手痛いダメージとなるでしょう。
保険会社と契約し、保険に入っておけばペナルティで失った通貨を補填してくれるというのも面白いかもしれません。(当然、保険料は超高額です)
プレーヤは通貨を物品に変えようとしますが、その1で述べた物品に対する税金を課すか、ペナルティが物品にまで及ぶようにします。

その3へ続く。

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モチーフ: パラレルワールド間の移動(2011/04/14) [ヴァルキリーの辞書]

先日、夢を見ました。一言で言うと、パラレルワールドが関係する変な夢です。
パラレルワールドとは、自分の生きている世界において、99%ほとんど全て同一であるのに、ある一部分だけ決定的に異なる部分が存在する世界を指します。例えば「地球および文化・歴史は全て一緒なのに、人間が猿から進化したという点だけ異なり、人間が恐竜をベースにした姿・形をしている世界」、「信長が本能寺で死ななかったその後の世界」など、しばしば映画や小説の題材になっていたりします。
とまあ、先日見た夢がゲーム制作や小説のネタになりそうだったので、忘れないうちにここにメモしておきます。

ネタに簡単に説明すると、「主人公の意識とは無関係に、オリジナルワールドとパラレルワールド間の瞬間移動を繰り返す」というネタになります。
一般にパラレルワールドへ迷い込むパターンとしては、主人公が違和感を覚えたり、気を失ったり、朝起きたらといったなんらかのトリガがあることが多いと思います。これはゲームや小説の展開を分かりやすくするためでもあります。
ところが私の見た夢では、(私自身が主人公でしたが)何のトリガもなくいきなりパラレルワールドに迷い込んでいました。それこそ、道路を歩いていていきなり、です。周りの人間、景色、天気・環境、何も変化しません。でもある点(事実)だけ決定的に変わっているのです。そして知らないうちに、オリジナルワールドに戻ってきていたりします。

夢の中でのストーリーは以下のような感じでした。
(1)道を歩いていてパラレルワールドへ迷い込むが全く気づかない
(2)辻褄の合わないこと、違和感に遭遇するがなんとかごまかす
(3)知らないうちにオリジナルワールドへ戻ってきているが、それも全く気づかない
(4)前述の(2)と同様、辻褄の合わないこと、違和感に遭遇するがなんとかごまかす
(5)前述の(1)と(3)は頻度高く行われ、主人公は大混乱する(ただし誰にも打ち明けない)
(6)自分がおかしくなってしまったのではと推測するが、(2)と(4)の辻褄の合わないことについて関連性を見いだし、周囲の規則的な状況変化(パラレルワールドの存在)に気づき始める
(7)何かをきっかけに、オリジナルワールドとパラレルワールドの決定的な違いに気づく
(8)前述の(7)により、自身がパラレルワールドに迷い込んだことを認識し、また、今現在自分がどちらの世界にいるかを判別する方法を確立する(この方法とは、明快ではなく人と会話して初めて判別できるような内容)
(9)その後の調査の結果、オリジナルワールドとパラレルワールドは完全に独立しているわけではなく、因果関係があることに気づく
(10)オリジナルワールドの未来に発生すると予測される不具合を、パラレルワールド側から補正を掛け回避を試みる
(11)回避に成功。よくわからないエンディング(笑)

とまあ、多少というか“かなり”脚色していますが、こんな感じでした。ネタとして面白そうな感じしませんか?

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オンラインネットゲームのインフレ回避 その1 (2010/05/07) [ヴァルキリーの辞書]

オンラインネットゲーム(MMO)におけるインフレは、非常に頭の痛い問題です。インフレにより新規参入者への敷居を高くしてしまうだけでなく、時としてゲーム全体のバランスを崩してしまったりします。

ここで簡単にインフレとは何か、またインフレが起こってしまう原理を簡単に説明しておきます。インフレとはお金の価値がなくなることであり、相対的に物価が上がってしまう現象のことを指します。物価が上がるとは、ユーザ間で取引される非売品物品(価格に相場があるもの)の物価が上がることを指しています。
このような現象が起こる原因として、貨幣の供給と消費のバランスが取られていないことが挙げられます。もっと具体的にな例で言うと、回復アイテムや武具を購入するのに必要なお金(必要経費)に対し、敵がドロップしたアイテム等を売り捌いて得られるお金の方が多い状態であるということです。このような状態が続いた場合、“皆が多額のお金を持っている状態”になりますから、相対的に非売品物品の価格が上昇するという現象が発生します。

インフレを抑える方法、それは現実世界における経済と同様の手法を取るしかありません。とは言っても、ゲームの中の世界ですから取ることのできる手法はある程度限定されるでしょう。面白そうなので、私なりにいくつかの手法を考えてみました。

■税金
基本的に市場に回っている通貨量を減らせばいいのですから、現実世界と同様、全員に対して税金を掛けるのはいかがでしょうか。ただ、そもそもお金を持っていない初級~中級プレーヤーに課税してもあまり意味がありませんから、課税率を低くするとか免税するといった措置を執るのが適切でしょう。
現実世界でもそうですが、必ず抜け道を探すプレーヤーがいます。抜け道を完全になくすことは難しいかもしれませんが、“何に対して課税するか”を考えることによって、ある程度抜け道を塞ぐことは可能です。

まず単純に総資金量に対して課税する案については、資金を複数のアカウントに分散して持つプレーヤーが出ることでしょう。また、高額なアイテムを購入し、見かけ上の資金量を減らそうとするプレーヤーが出るはずです。
となれば、総資金量ではなく総資産に対して課税するのが適当だと思われます。一般に高レベルプレーヤーほど、高価なアイテムやレアなアイテムを所有すると思いますから、効率的に課税することができると思います。非売品アイテムの資産評価額は運営側のさじ加減となるため、性能見合いで超高額な資産価値を設定するなど、いろいろ面白いかもしれません。

オンラインネットゲームは、当然ですがプレーヤーに現実世界のリアルマネー(円)を支払わせることで運営が成り立っています。上記のように税金を徴収する方式の場合には、税金の支払いを一部免除される権利を販売するなど、いかがでしょうか。ただし、一部の高額課金プレーヤーだけが優遇されるようなゲームバランスでは、それも長続きしないゲームとなってしまうでしょう。(このゲームは“課金しないとやっていけないゲーム”だと認識されてしまうと、全体的なユーザ数が減ってしまうためです)

■税金(応用編)
前述の税金システムを応用すると、オンラインネットゲームで問題になっているその他の問題に対処することもできます。

例えばゲームの世界で持ち家を所有することができたり、個人商店を開くことができる場合、必ず特定の町やエリアといった偏りが生じるものです。この場合、場所に対して課税を行い、人気のある場所の課税率を高くすることにより、自然と分散化を図ることができるようになります。

個人倉庫に多量のアイテムが眠ってしまう(収納されたままになる)問題については、眠らせている時間に応じて課税したり、あるいは人に貸し出すことによって税金の一部を免除するとった措置を執れば、世の中に物品が出回るようになると思います。

高度な調整力を要するとは思いますが、前述の非売品アイテムの資産評価額を変動性にしてみるとより面白いのではないかと思います。
結局のところ、非売品アイテムは課税金額を含めて“使える物”、“使えない物”に二分されてしまうでしょうから、それを良いようにミックスさせる意味で資産評価額を変動させるのです。
そうすると“使える物”はいずれ“使えない物”になってしまう可能性もありますので、自然とプレーヤーは様々なアイテムを手にするようになります。また、職業における装備品に差異を付け、絶対的な強さはないがコストパフォーマンスの良い職業といった形で不人気職にスポットライトを当てることができるようになるのではないでしょうか。


その2へ続く。

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ダメージ後の最大HP (2009/01/18) [ヴァルキリーの辞書]

キャラクターの健全性を示す指標としてHP(ヒットポイント)がありますよね。
ただ、今のゲームでは単なる数値パラメータの一つになっていて、もう一つ面白味に欠けると思いませんか? 例えば、瀕死の状態から薬草だけで回復したり、宿屋と病院がうまく棲み分けできなかったりしますよね。

リアリティを求めるという訳ではありませんが、このようなアイデアはどうでしょうか?
それは、HPに「ダメージ後の最大HP」を設けるのです。どのように使用するかと言うと、敵からの攻撃を受けると、通常のダメージとは別に「ダメージ後の最大HP」を減らすのです。そして常に以下の式が成り立つようにします。
 「最大HP ≧ ダメージ後の最大HP ≧ 現在のHP」
以後、順にMHP、DMHP、HPと表現することにします。

このパラメータにより、例えば以下のような味付けができるようになります。
・弱い敵の攻撃では、HPは減ってもDMHPは減らない
・強い敵の攻撃では、DMHPも減る
・宿屋ではHPは、DMHPまでしか回復しない
・病院ではHPは、MHPまで回復し、DMHP=MHPに初期化される
・回復アイテムでは、DMHPまでしか回復しない(DMHPを回復させるアイテムは別に設ける)
・毒などの状態異常で、DMHPが徐々に減少する

例えば、同じ防御力であっても、頑丈なファイターはDMHPが減りにくく、ひ弱な魔法使いはDMHPが減りやすいといったことが表現できるようになります。まぁ、他にもいろいろ応用ができると思います。なかなか面白いと思いませんか?

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文官と武官 (2008/12/25) [ヴァルキリーの辞書]

元来は中国における官吏の分類に関する概念であり、軍事をつかさどる官職を武官、文治をつかさどる官職を文官として、両者の待遇や服制を区別したものである。 from Wikipedia

そういうことらしいです。
で、つまり何が言いたいかというと、キャラクターの特色付けについてです。一般に、魔法使い系のキャラクターは頭が良く、戦士系のキャラクターは頭が悪いという特色付けをされることが多いと思います。
しかし、一言に頭が良いと言っても、文官の頭の良さと、武官の頭の良さは異なるのです。

文官の頭の良さとは、政治力や知識力をイメージして下さい。一方、武官の頭の良さとは、嗅覚や経験、戦闘における洞察力をイメージしてみて下さい。実は前者と後者には関連性がないことに気付くと思います。
つまり、どんなに政治力や知識力がある知識人であっても、戦闘においては「馬鹿」ということも十分にあり得るということです。このあたりのキャラクターへの特色づけは、どうやってパラメータで表現すればいいんでしょうね。まだ自分でも答えは見つかっていません。

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登場人物の死 [ヴァルキリーの辞書]

戦闘中に死ぬキャラクターは魔法やアイテムで復活するのに、イベントで死ぬキャラクターは復活しない。これも理不尽な点としてしばしば挙げられています。

この矛盾自体について、自分なりの解釈を述べるとすると「ゲームデザインミス」以外の何者でもないと思います。ただ、少し補足をすると、こうなってしまった背景として、近年におけるゲームの多様化がそもそもの原因であると考えています。つまりどういうことか?

昔々その昔、ゲームは楽しく遊べれば良いものであって、表現力、容量の関係上、シナリオ演出で魅せることは全く想定していませんでした。初期のウルティマ、ウィザードリー、ドラゴンクエストを見ればなんとなく分かるでしょう。とにかくピコピコ遊ぶことができればそれでよかったのです。だからキャラクターのステータスが「死亡」となっても何も問題ありませんでした。

それが時が経ち、ゲームの表現力が増してきました。その結果、シナリオ演出で死ぬキャラクターが登場するようになりました。その時初めて気づきます。矛盾していると。
ただ、そう簡単にゲームシステムを変更することはできませんから、依然としてステータス「死亡」は残り続けることとなったのでしょう。

最近のゲームは上記のようなことを見越し、「戦闘不能」や「気絶」といったステータスが登場するようになりました。これはこれで一つの回避策と言えると思います。

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HPの回復 [ヴァルキリーの辞書]

HPは「ヒットポイント」を省略して表記したものであり、一般的な定義としては、そのキャラクターが死亡あるいは戦闘不能になるまで、後どの程度耐えられるかを示しています。数値が大きい方がより頑丈ということになりますが、減り易くしたり、また減りにくくしたりとキャラクターの味付けをすることも可能です。

しばしば、ゲームにおいてHPは理不尽だと言われます。
前述の通り、HPの定義からするとHPが少ないということは、そのキャラクターが非常に弱っているということを示しています。HP 1ではもはや瀕死でしょう。
その瀕死のキャラクターに、傷薬等の回復アイテムを連続使用する、あるいは、そのまま宿屋に泊まるだけで全快するという奇妙な現象が起こります。普通に考えれば、放置すれば死んでしまうでしょう。
私の意見としては、ゲームとしての遊びやすさを優先させるのであれば、こういった現象は仕方のないことだと思います。リアリティあるシステムは、同時に遊びやすさも奪ってしまうためです。

ただ、一つの方向性として、リアリティを追求するゲームが存在しても良いと思います。例えばこのようなシステムはどうでしょう?
・HPに一定のラインを設け(例えば30%等)、そのライン以上のHPであるときは時間と共に徐々に回復する。しかしそのライン以下の場合は、徐々にHPが減少し死に至る

このようなアイデアはいくらでも出てくると思います。いかがでしょうか?

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