SSブログ

ビールの美味しさ (2020/04/13) [お酒]

最近の若者はあまりビールを飲まないようですね。チューハイやサワーなどの、甘くて飲みやすいお酒が人気のようです。

私はお酒は何でも飲みますが、好きなお酒を一つあげるとするとやはりビールでしょうか。中でもどっしり系が好きで、一番好きなのはキリンのクラシックラガーです。別にクラシックラガーを懐かしむような世代ではないのですけどね。

20200413_lp02_img_pc.png


焼酎やウイスキーといったスピリッツ系も好きですが、どこか物足りないと感じてしまうことがあります。それでよくよく考えてみました。ビールの美味しさって何なのだろうって。

おそらくですが、ビールの美味しさって他のアルコール飲料にはない複雑さではないでしょうか。じっくり味わってみると、苦み、甘さ、酸味、香ばしさ、爽やかさ、のど越し、アルコール・・・といった味覚だけではない色々な味わいを感じることが分かります。
しかもそれでいて、これらが非常に高い調和を保っています。スピリッツ系で物足りないと感じてしまうのは、この差なのではないかと。

発泡酒やノンアルコールビールはあまり美味しくありません。どこか物足りなさがあったり、ひどいものはあからさまな雑味を感じることもあります。
これだけ科学技術が進んだ今なお、ビールを完全再現することができていないのです。これはつまり、前述の味わいに過不足があったり、調和が崩れているので美味しくないと感じるのではないでしょうか。

近年、ビールの消費量が減っているようです。その原因に提供されるお酒の多様化もあるでしょうが、今の若者はジャンクフードなどで画一的な味に慣れてしまっており、複雑な味わい(特に苦み)を好まないという味覚の変化があるのかもしれません。・・・私の勝手な推測ですが。
ビールと同じように多種多様な味わいのあるワインも、若者に限って消費量が減っているのであれば、この仮説は正しいのかもしれません。
まあワインは多様化によって増えた選択肢の一つであるため、日本全体では消費量が増えていることと思います。リカーショップで世界中のワインが並ぶようになり、売り場面積が劇的に増えていっています。

ビールって難しいですね。そして面白いですね。
日本のビールは世界的に見て非常に完成度が高いらしいので、機会があったらぜひビールも飲んでみて下さい。


nice!(1)  コメント(0) 

ウイスキーコーナーのとある女性 (2020/03/24) [お酒]

先日、イオンのリカー売り場に行ったら、あどけなさの残る若い女性がウイスキーラインナップを凝視していました。ウイスキー売り場といっても、トリスやブラックニッカが並ぶ安酒コーナーではなく、バランタインやオールドクロウ、ジムビームなどが並ぶ、本格派のコーナーです。
最初は暇潰しに見ているのかと思っていたのですが、他にあるワインや焼酎、リキュール、その他スピリッツ系のコーナーには見向きもしないので、ウイスキーを狙って見ているようでした。
別にその人には何もなかったのですが、あまり似つかわしくない光景に、若い人(しかも女性)にしては珍しいなとそんな印象を受けました。硬派なウイスキー瓶が並ぶと確かに映えますし、舶来品のおしゃれな感じに惹かれたのかもしれませんね。

さて、最近の若い人はビールをあまり飲まなくなったようで、サワーやチューハイが人気なようです。私は基本的に酒の好き嫌いはなく何でも飲みますが、居酒屋での飲み会ではほぼビールだけを頼みます。
主要メーカーのビールであれば、全国どこで飲んでも味が変わらず、失敗がないからです。もちろん管理や提供が下手で美味しくない店もありますが、そこは腐っても鯛と言いますか、多少まずくても、飲めないということはありません。
もちろん、キリンシティーのようにビールにこだわっているお店のビールは、絶品と言えるほど本当に美味しいですけどね。

一方、サワーやチューハイは、統一基準なんてありませんし、味や濃度も様々、さらに原価低減のために粗悪なスピリッツ(=アルコールのベース)を使っている店もあります。一言で言えば、店によって当たり外れがあるということです。さすがに三増酒とまでは言いませんが、どこかそれに通じる感覚ではあります。
絶対に飲まないわけではないですが、そこまでして飲みたいものでもなく、だったら無難なビールを頼んでしまうというのが実情です。

基本的に、お酒は作り手(バーテンダーを含む)が悲しくなってしまうような飲み方・消費の仕方でなければ、飲む側が美味しいと思う飲み方を選んで良いと思います。
飲み会の場で、「そんな飲み方をしては勿体ない」とか、「酒に失礼」などと冗談半分で絡むことはありますけどね。本気でそんなことを言ったり強要したりするのは、言語道断です。

お酒は楽しく飲むのが一番だと思います。
私も最近、YouTubeでウイスキーのレビュー動画をよく見ています。本当に奥が深いですね。冒頭の彼女も、そんなチャンネルを見てウィスキーに興味を持ったのかもしれません。

とまあ、妄想で見ず知らずの人を勝手にヒロインに仕立て上げてしまいました。全くそんなことない可能性が大です。
 ・・・ほろ酔いにて。

nice!(0)  コメント(0) 

カンパイ! 世界が恋する日本酒 その2 (2017/08/26) [お酒]

ワインやウィスキーといった洋酒が好きな人もいるでしょう。チューハイが好きな人もいるでしょう。酔えれば酒の種類にこだわらない人もいることでしょう。そう、それで構いません。ですが皆さん、日本人ならぜひ日本酒「も」飲んでください。

「カンパイ! 世界が恋する日本酒」は、日本酒に関わる3人のドキュメンタリー映画です。私は日本酒が好きでしたし、いろいろな銘柄にチャレンジしてきたつもりです。ですがこの映画を見て、ものすごく勿体ないことをしていることに気付かされました。こんな身近なところに世界最高のお酒があった訳ですよ。

■フィリップ・ハーパーさん
日本人でも脱落するような厳しい下積み時代を経て、日本で初めて杜氏になった外国人。

■ジョン・ゴントナーさん
日本酒伝道師。英語で日本酒を語る唯一のジャーナリスト。

■久慈浩介さん
南部美人五代目蔵元。その地位は約束されたものではなく、自ら道を切り開いた風雲児。

このドキュメンタリーの面白いところは、主人公のうちの二人が外国人であることです。日本人が当たり前と思っていることがそうではなく、「ガイジン」という彼らの新鮮な目を通して説明されることで、いろいろと気付かされることがあります。
三人に共通することは、いずれも日本酒に関して素晴らしい人に巡り会えていること。最初の二人は、赴任先の日本で出会った同僚であり、久慈さんについてはアメリカのホームステイ先で毎晩のように説教してくれた親父さんでしょうか。人の繋がりが、彼ら主役達と日本酒を結びつける強い結び目を作っています。

一つ言えるのは、日本酒業界は厳しい状況であるということです。
日本社会はグローバル化しており、世界中のお酒が自由に飲めるようになりました。高品質なワインやウィスキーが飲めるようになったことは良いことですが、その反面、日本酒を飲む機会や量が減ったということでもあります。
また、杜氏の高齢化に伴う後継者の不足や、良くも悪くも職人気質の閉鎖的な業界が、巡り巡って自分達の首を絞めています。

しかしピンチは最大のチャンスでもあります。グローバル化しているということは、逆の観点では日本酒の市場が世界に広がったということになります。後継者の不足とは、今までは理由もなく門前払いされ、閉め出されていたような人達が深部に入っていけるようになったということでもあります。
三人の活動は、日本酒業界を変える起爆剤になるのかもしれません。

日本酒はまずいと思っている人、もしかしてあなたが飲んだ日本酒は大衆居酒屋用の安酒であって、本物の日本酒ではなかったのかもしれません。あるいは、ただ本当に美味しい日本酒に出逢えていないだけかもしれません。
我々が思っているよりも、日本酒は世界中で評価されています。ワインやウィスキーといった銘の付いたお酒をありがたがるのも良いですが、日本酒が逆の立場で同じようにカッコイイと思われていることを知れば、日本酒に対する見方が少し変わるかもしれません。

私が印象に残った場面を記憶を辿っていくつか紹介します。(一部意訳あり)

■フィリップ・ハーパー
フィリップ・ハーパー氏「数ヶ月で辞めると思われていた。でも気付いたら10年続けていた」
フィリップ・ハーパー氏「雪道ですっ転んで酒蔵に遅刻しそうになった。なんとか間に合ったが、顔が血だらけだった」
蔵元の偉い人「大和魂を持った人間は、日本人だけではないということが分かった」

■ジョン・ゴントナー
ジョン・ゴントナー氏「日本酒は大好きだよ、だからその酒(大衆酒)は飲めない」

■久慈浩介
久慈浩介氏「ホームステイ先の親父にプレゼントした大吟醸がえらく気に入られ、“なんて旨い酒だ。こんな旨い酒を造れる蔵元の跡取り息子だなんて、おまえはなんて幸せなヤツなんだ”と、毎晩、毎晩、毎晩言われた」
久慈浩介氏「東日本大震災だからといって、お花見の自粛はしないでください。お酒を買って消費して頂くことが、我々への何よりの支援になります」

無理して日本酒を飲まなくとも良いです。
ただ、思い出したらぜひ日本酒を買ってみてください。飲んでみてください。きっと好きになってもらえると思います。

カンパイ! 世界が恋する日本酒
20170814_カンパイ!日本酒.jpg


nice!(0)  コメント(0) 

カンパイ! 世界が恋する日本酒 その1 (2017/08/14) [お酒]

私は職業柄、ビジネスホテルによくお世話になります。ビジネスホテルにはしばしば有料チャネルのカード販売機が置いてありますが、正直なところ、有料チャネルには全く興味はありませんでした。のんびりくつろいでいる時間もありませんし、そもそもネットワークで映像配信しているという仕組み上、画質もたかがしれているだろうと、ハナから否定的だったからです。

さて、昨今のビジネスホテル業界の価格競争によって、最近はVODが無料で使える宿泊プランもでてきています。私が最近利用したビジネスホテルでは、アルファワンや東横インでそういったプランがありました。無料で付いてくると言われると、ついつい付けてしまうのが貧乏人のサガ。ちょうど良い機会だったので、私の食わず嫌いが正しかったどうかを確認してみることにしました。

アルファワン関内は、予想通りの残念な結果でした。粗い画質(アナログテレビ画質)に、もっさりして使いにくいインタフェース、遅延する画面転送に、縦横比のおかしい映像。無料プランだからわざと劣化させているのでしょうか。いやいや、そんなことはないはずです。少なくともVODにお金を払う価値はないという期待通り(?)の結果でした。

東横インは良い意味で裏切られました。きれいなHD画質に、洗練されたインタフェース、提供されるコンテンツも、興味を持てるようなものがいろいろとありました。そう、そしてこの映画と出会ったのです。

カンパイ! 世界が恋する日本酒
20170814_カンパイ!日本酒.jpg

映画と言ってもドキュメンタリー映画ですけどね。もともとお酒は好きですし、種類に限らず何でも飲みます。ただ、日本人であるというアイデンティティーから、日本酒に対しては多少の思い入れがありました。だから、このタイトルに惹かれていったのは必然だったのかもしれません。少なくとも、他のどんなコンテンツよりも魅力的でした。

…その2へ続く。
nice!(0)  コメント(0)