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カンパイ! 世界が恋する日本酒 その2 (2017/08/26) [お酒]

ワインやウィスキーといった洋酒が好きな人もいるでしょう。チューハイが好きな人もいるでしょう。酔えれば酒の種類にこだわらない人もいることでしょう。そう、それで構いません。ですが皆さん、日本人ならぜひ日本酒「も」飲んでください。

「カンパイ! 世界が恋する日本酒」は、日本酒に関わる3人のドキュメンタリー映画です。私は日本酒が好きでしたし、いろいろな銘柄にチャレンジしてきたつもりです。ですがこの映画を見て、ものすごく勿体ないことをしていることに気付かされました。こんな身近なところに世界最高のお酒があった訳ですよ。

■フィリップ・ハーパーさん
日本人でも脱落するような厳しい下積み時代を経て、日本で初めて杜氏になった外国人。

■ジョン・ゴントナーさん
日本酒伝道師。英語で日本酒を語る唯一のジャーナリスト。

■久慈浩介さん
南部美人五代目蔵元。その地位は約束されたものではなく、自ら道を切り開いた風雲児。

このドキュメンタリーの面白いところは、主人公のうちの二人が外国人であることです。日本人が当たり前と思っていることがそうではなく、「ガイジン」という彼らの新鮮な目を通して説明されることで、いろいろと気付かされることがあります。
三人に共通することは、いずれも日本酒に関して素晴らしい人に巡り会えていること。最初の二人は、赴任先の日本で出会った同僚であり、久慈さんについてはアメリカのホームステイ先で毎晩のように説教してくれた親父さんでしょうか。人の繋がりが、彼ら主役達と日本酒を結びつける強い結び目を作っています。

一つ言えるのは、日本酒業界は厳しい状況であるということです。
日本社会はグローバル化しており、世界中のお酒が自由に飲めるようになりました。高品質なワインやウィスキーが飲めるようになったことは良いことですが、その反面、日本酒を飲む機会や量が減ったということでもあります。
また、杜氏の高齢化に伴う後継者の不足や、良くも悪くも職人気質の閉鎖的な業界が、巡り巡って自分達の首を絞めています。

しかしピンチは最大のチャンスでもあります。グローバル化しているということは、逆の観点では日本酒の市場が世界に広がったということになります。後継者の不足とは、今までは理由もなく門前払いされ、閉め出されていたような人達が深部に入っていけるようになったということでもあります。
三人の活動は、日本酒業界を変える起爆剤になるのかもしれません。

日本酒はまずいと思っている人、もしかしてあなたが飲んだ日本酒は大衆居酒屋用の安酒であって、本物の日本酒ではなかったのかもしれません。あるいは、ただ本当に美味しい日本酒に出逢えていないだけかもしれません。
我々が思っているよりも、日本酒は世界中で評価されています。ワインやウィスキーといった銘の付いたお酒をありがたがるのも良いですが、日本酒が逆の立場で同じようにカッコイイと思われていることを知れば、日本酒に対する見方が少し変わるかもしれません。

私が印象に残った場面を記憶を辿っていくつか紹介します。(一部意訳あり)

■フィリップ・ハーパー
フィリップ・ハーパー氏「数ヶ月で辞めると思われていた。でも気付いたら10年続けていた」
フィリップ・ハーパー氏「雪道ですっ転んで酒蔵に遅刻しそうになった。なんとか間に合ったが、顔が血だらけだった」
蔵元の偉い人「大和魂を持った人間は、日本人だけではないということが分かった」

■ジョン・ゴントナー
ジョン・ゴントナー氏「日本酒は大好きだよ、だからその酒(大衆酒)は飲めない」

■久慈浩介
久慈浩介氏「ホームステイ先の親父にプレゼントした大吟醸がえらく気に入られ、“なんて旨い酒だ。こんな旨い酒を造れる蔵元の跡取り息子だなんて、おまえはなんて幸せなヤツなんだ”と、毎晩、毎晩、毎晩言われた」
久慈浩介氏「東日本大震災だからといって、お花見の自粛はしないでください。お酒を買って消費して頂くことが、我々への何よりの支援になります」

無理して日本酒を飲まなくとも良いです。
ただ、思い出したらぜひ日本酒を買ってみてください。飲んでみてください。きっと好きになってもらえると思います。

カンパイ! 世界が恋する日本酒
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