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コーヒー・紅茶を淹れるときの温度について (2020/04/12) [雑記]

日本茶(玉露)は淹れる時の湯の温度が重要と聞きます。沸騰してから少し冷ましたものや、高級品に至っては60度ぐらいのお湯を使う場合もあるようです。
しかし、同じような形態の飲み物であるコーヒーや紅茶は、そういったことを聞かないような気がします。最近でこそ、コンビニで“水出しコーヒー”といった表記のペットボトルを見かけることはありますが、基本的に市販のコーヒーや紅茶のパッケージには「熱湯を注ぐ」としか書いてありません。

基本的に何か物事を極めようとすると、過程は違えど最終形が似通ってくるケースが多々あります。
例えば肉料理において、日本は魚を生で食べるようになりましたし、西洋ではレアやミディアムレアといった肉を半生で食べるようになりました。また、味をごまかしたり、保存性を良くするために、東西を問わず、からしやわさびといった香辛料を使います。
食べ物に限らず、大工道具なんてのも結局は“切る”や“削る”といった工程は東洋と西洋で変わらないので、道具も似通ったラインナップになりますし、戦争においては大砲や銃の普及といった火力向上や、機動力の重視によって携帯型の盾は廃れていきました。

そう、結局は似てくるのです。
そのため、熱湯で淹れるという行為は、お茶もコーヒー・紅茶も同じところに行き着いていると言えるのですが、最初に述べたように低温のお湯でコーヒー・紅茶を淹れるという概念は、なぜあまり聞かないのでしょうか。答えがある訳ではありませんが、理由を考えてみました。

■私が不勉強で知らないだけ
文字通りそのままです。私が普段飲んでいるコーヒー・紅茶は平民の飲む銘柄であって、貴族が嗜むような高級品には、玉露と同じように低温で抽出する文化があるのかもしれません。

■抽出対象の性質の違い
物にはそのものの性質があるので、コーヒーや紅茶は玉露ほどデリケートではないかもしれません。つまり、コーヒーや紅茶は低温で抽出しても成分が出てこず美味しくないので、そういった概念が生まれなかっただけかもしれません。

■水質など風土の違い
西洋の土壌は硬水がほとんどと聞きます。西洋の洗濯は、硬水で洗剤が溶けにくいのでお湯で洗濯をすると聞きます。同様に、水質の違いから低温で抽出しても美味しくないので、そういった概念が生まれなかっただけかもしれません。

■文化背景の違い
コーヒーや紅茶が自宅で優雅に飲む飲み物ではなく、戦場で飲む簡易食として普及したのであれば、そもそもお湯の温度を調整しているような余裕はありません。不衛生な水しか入手できず、お湯は必ず煮沸させるものだとすると、煮沸したお湯でそのまま淹れるという行為も理解できます。

■日本人がお茶に対してこじらせ過ぎた
日本人は良い意味で変態です。
物事を究極に煮詰めすぎた結果、常識の範囲を超えて労力を掛けすぎたのかもしれません。お茶の乾燥させ方だけでなく、様々な温度で淹れることを実験し、日本独自のこういった概念ができあがったのかもしれません。

■欧米人の気風
欧米人に限らず、日本人以外はわりと“適当”だと聞きます。物の数え方や測り方もそうですし、遅刻なども寛容で、定刻通り到着する日本の電車が生真面目すぎると揶揄されることもあります。
もしかすると、「お湯の温度管理なんて面倒なことはやってられないよ!早く飲みたいんだ」といった考え方が、世界標準なのかもしれません。


といったように、答えを知っている訳ではありませんが、いろいろと考えてみるのも面白いですね。



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