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OpenBGPDでいこう? (2015/02/06) [その他OS]

OpenBSDプロジェクトして、OpenBGPDというのもあります。文字通り、オープンなBGPデーモンです。BGPとはダイナミックルーティングプロトコルの一つで、下記のような特徴を持っています。(若干のバイアスが掛かっています)
・何よりも安定性重視であり、ルーティングプロトコルにしてはめずらしく、TCPを使って情報のやりとりをする
・扱える経路情報数が、他のルーティングプロトコルと比較して桁違い(20万経路とか30万経路とか)
・大局的な大ざっぱな経路情報の管理に向いている。逆に緻密な制御には向いていない
・ルーティングプロトコルの中に、組織・集団といった概念がある
・相手に対して自己主張ができる
・未知の相手とは経路情報の交換ができない
・高速な経路切り替えには向いていない。切り替え時間はゆったりとした感じ

一般に、BGPは会社組織のような小規模ネットワークで使われることはまずありません。じゃあ、BGPはどこで使われるルーティングプロトコルなのか? 勘のいい人はお気付きかと思いますが、インターネットサービスプロバイダ(NTTとか、KDDIとか、ソネットとか、OCNとかとか)のようなネットワークの上位に位置する通信事業者や研究機関などです。無論、これは海外の通信事業者も含みます。
そうやって考えると、上記の特性は実はかなり理にかなっていることに気付きます。…というより、BGPはそのために作られたプロトコルなのです。

>・何よりも安定性重視であり、ルーティングプロトコルにしてはめずらしく、TCPを使って情報のやりとりをする
必ずしも通信経路が安定しているとは限りません。そのため、TCPを使ってさらなる安定性を確保しています。一般的にLANで使われるOSPFやRIPといったプロトコルだと、パケットは投げっぱなしのベストエフォートです。

>・扱える経路情報数が、他のルーティングプロトコルと比較して桁違い(20万経路とか30万経路とか)
世界中を含めるとそのぐらいの経路情報数があります。LANで使われるダイナミックルーティングだと、間違いなくパンクします。

>・大局的な大ざっぱな経路情報の管理に向いている。逆に緻密な制御には向いていない
30万経路を扱うためのトレードオフですね。と言っても、そもそも緻密な制御を行うこと自体に需要がありません。

>・ルーティングプロトコルの中に、組織・集団といった概念がある
これが以外と重要で、LANにはない概念です。
経路情報について、どこの組織から配信された情報なのかということをしっかり区別します。

>・相手に対して自己主張ができる
これも組織・集団といった概念があるからこそです。
「経路情報は教えてやるけど、なるべく使わないで」といった伝え方をすることもできます。

>・未知の相手とは経路情報の交換ができない
これも組織・集団といった概念があるからこそです。必ず既知の相手としてか情報交換ができません。
一方、LANで使用されるOSPFやRIPは、未知の相手とも情報交換ができてしいまいます。

>・高速な経路切り替えには向いていない。切り替え時間はゆったりとした感じ
メリットでもデメリットでもありますが、基本的にゆったりする必要があるのです。
なぜなら、BGPの用途からして切り替え情報が世界中に伝わるからです。特定の通信経路が不安定だからといって、経路情報の増減がパタパタと頻繁に世界中に伝わっては、連動する方も大変だからです。

とまあこんな感じです。一昔前だと、BGPを扱えるというだけで英雄扱いだったのですが、今では割とポピュラーなプロトコルになってしまっています。
そんなBGPでありOpenBGPDですが、どこかで使ってみたいと思ってはいるものの、まったく用途がないですねぇ。
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