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小説版 ドラえもん のび太と鉄人兵団 (2013/05/26) [雑記]

小説版 ドラえもん のび太と鉄人兵団を読みました。すごく面白かったです。
面白といっても人様々ですが、私なりに発見した面白さは以下に挙げます。

最初の違和感が半端ない
私はドラえもん世代です。“てんとう虫コミックス、ドラえもん”のあの世代です。もちろんテレビでも見ていました。
電子書籍ではありますが、小説=紙媒体ということで、自ずと比較対象になるのはてんとう虫コミックスのドラえもんです。偶然ですが、のび太と鉄人兵団を、当時、コミックス版で読んでいました。
コミックスのドラえもんって、何も考えずにサクサクテンポ良く読んでいけるのですよね。まぁ、子供向けのマンガなのですから当然なんでしょうが。それが、全ての描写において文字化してあるのです。しかも仰々しいぐらいに真面目に。のび太の心理描写は無論ですが、、ジャイアンの心理描写も生々しいぐらいに表現されています。
同じ内容をマンガ、文芸作品という二つの形態で読むことで、しかもそれがドラえもんということで、とにかく最初の違和感が半端なかったです。それが面白い。

脳内再生率が半端ない
水田わさびさんのドラえもんはよく知りません。大山のぶ代さんのイメージがあるので、新しいドラえもんを見ると雰囲気が壊れると思い、あえて見ていません。だから私のドラえもんは、大山のぶ代さん、小原乃梨子さん達が演じるドラえもんです。
普通、小説を読むときに個々の会話は音に変換しません。文字として読むだけです。まぁ、正確には人間は無意識の内に音に変換しており、だからこそ小説を原作とするアニメを見たときに激しい違和感を覚えたりしますが…。
この小説は会話の脳内再生率が半端ないですね。瀬名秀明さんの小説の中に、ドラえもんの旧声優陣が勢揃いします。これがまたとても面白い。

瀬名秀明さんが半端ない
瀬名秀明さんはご存じでしょうか。私も当時読みましたが、パラサイト・イヴの原作者です。何かというと、この方、バリバリの超理系なんですよね。ドラえもんは分類上はSFに分類されるかもしれませんが、四次元ポケットから出てくる道具なんてまさにファンタジーじゃないですか。
ええと、この物語はドラえもんが道具で作成した鏡面世界が鍵となるのですけど、
鏡面世界は、リルルの祖国では知られていない科学技術によるものだった。~中略~すなわち鏡の平面に垂直なベクトルだけがあべこべに~中略~慣性質量と重力質量を持つ知性体は、そうした~中略~おのれの進行方向を、あるいは視線などで注意を払う方向を、やはり無意識のうちにx軸として捉える~中略~
といったように、ファンタジーを可能な範囲・側面から科学理論で語ってくれています。下手すると文系の人は置いて行かれるぐらいバリバリの理屈で。このあたりが瀬名秀明さんだなぁといった印象です。非常に面白い。

というわけで、大変面白く読ませて頂きました。本当は小説の中身ではなく、電子書籍リーダのその後について書こうと思ったのですけどね。ついつい。
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